After Effectsを使ってビデオ編集やモーションデザインに携わる皆さんは、日々の作業でさまざまなハードルに直面するはずです。自分なりの編集スタイルを追求しつつ、クリエイティビティを発揮するのは決して容易ではありません。
そんな中、ソフトウェアの機能を拡張できる「ZXP」ファイルをご存知でしょうか。これらのファイルを活用すればAfter Effectsの機能拡張ができ、作業効率が劇的にアップするかもしれません。しかし、初めて導入する際の手順がわからず、機会を逃している方も多いのではないでしょうか。
本記事では、ZXPファイルとは何か、導入のメリットから、実際のインストール手順まで詳しく解説します。After Effectsのパワーユーザーから初心者まで、誰もが新機能を簡単に追加できるようになります。ぜひ参考にしてください。
- 作業効率の大幅な改善
- ワークフローのカスタマイズが可能
- 新しい編集スタイルの可能性が広がる
- 他のユーザーが開発した優れたツールを利用できる
ZXPファイルの活用は、動画制作の現場で様々な可能性を切り開きます。作業がストレスフリーになり、クリエイティブな発想を存分に発揮できるでしょう。この記事を参考に、ぜひZXPファイルの導入に挑戦してみてください。
ZXPファイルとは何か?
ZXPファイルの概要と特徴
After Effectsユーザーの皆さんは、ソフトウェアの機能拡張ツールとして「ZXPファイル」をご存知でしょうか。「ZXP」という用語は「ZIP eXtension Package」の略称です。 ZXPファイルは、Adobeによって定められた独自の拡張子で、Adobe Photoshop、Illustrator、InDesign などの Adobe Creative Cloud アプリケーションの拡張機能をパッケージ化して配布するために使用されます。このファイルを導入することで、After Effectsに新しい機能を追加したり、既存の機能を拡張することが可能になります。ZXPファイルはサードパーティ企業やユーザーコミュニティによって開発・配布されており、無料で入手できるものから有料のものまであります。
ZXPファイルでできること
ZXPファイルの具体的な用途は様々です。例えば、編集作業を自動化したりショートカットを割り当てたりと、ワークフローの効率化に役立ちます。また、アニメーション制作に特化したツールやエフェクトなど、本来の機能に存在しない新機能も追加可能です。他にも、動画の解析やメタデータの書き出し、あるいはファイル変換といった、付加的な機能を実現できます。ユーザーニーズに合わせて必要な機能をインストールすれば、After Effectsをカスタマイズしやすくなり、クリエイティビティが無限に広がるでしょう。
ZXPファイルのインストール手順
ZXPファイルのインストール前の準備
ZXP/UXP Installerのダウンロード
ZXPファイルを正しくインストールするには、事前の準備が重要です。まずはZXPのインストーラーが必要です。最もメジャーなZXPインストーラーは海外大手のスクリプト販売サイト『aescripts.com』が無料で提供している「ZXP/UXP Installer」です。下のリンクからご自分のPCに合わせたインストーラーをダウンロードしてください。
「ZXP/UXP Installer」だけならばこのままZXP/UXP Installerのインストールに進んで構いません。
aescripts.comアカウントの作成
『aescripts.com』では無料で素晴らしいスクリプトやプラグインも配布されています。aescripts.comアカウントがない場合は作成しておいて損はないと思います。ここからはaescripts.comアカウントの作成手順を説明します。
ホームページ右上の「Create a new account」をクリックします。
- 氏名
- メールアドレス
- 規約の合意
- メールマガジンの登録
- パスワード
- 人間証明
- 必要な事項をすべて埋め「SUBMIT」をクリック
そうすると、入力したメールアドレスにメールが送られてくるので、その中のリンクをクリックしましょう。これでアカウントの作成は終了です。
ZXP/UXP Installerのインストール
ダウンロードしたファイルをダブルクリックして起動します。このファイルでは以下の2つのソフトウエアをインストールすることができます。
の2種類のソフトがインストールすることができます。
- ①aescripts + aeplugins manager
-
『aescripts + aeplugins』で購入したスクリプトやプラグインのインストール・アップデート・アンインストールを管理してくれる
- ②ZXP/UXP Installer
-
拡張子がZXPとUXPの拡張機能をインストールしてくれる
「ZXP/UXP Installer」のみをインストールする場合は上のチェックボックのチェックを外してください。
- 規約の合意
- 「Install」をクリック
「Close」をクリックしてインストールは終了です。
手順1:ZXPファイルの入手方法
次に、実際にZXPファイルを入手する必要があります。入手先としては、Adobe Exchangeや公式ブログ、サードパーティ企業のサイト、クリエイターコミュニティなどがあげられます。無料で提供されているものならば、ダウンロードしてインストールするだけで利用可能です。一方で製品版や高機能なツールは有料の場合が多いので、予算に合わせて選びましょう。どのファイルを導入するかは、ニーズや用途で適切に判断する必要があります。
手順2:After Effectsへの導入方法
Windowsの場合、すべてのアプリの中に「aescripts + aeplugins」と「ZXP UXP installer」がインストールされます。『aescripts.com』で購入したプラグインをインストールする場合は①「aescripts + aeplugins」を起動してください。ZXPファイルをインストールする場合は②「ZXP UXP installer」を起動してください。
aescripts + aeplugins managerを使ったインストール方法
一番最初にaescripts + aeplugins managerを起動するとaescripts.comアカウントの入力が求められます。aescripts.comアカウントを入力しましょう。
- aescripts.comアカウントのメールアドレス
- aescripts.comアカウントのパスワード
- 規約の合意
- 「OK」ボタンをクリック
入力に間違いなければ「ようこそ」と歓迎してくれます。「Close」ボタンをクリックしましょう。
aescripts.comで購入したプラグインの一覧が表示されます。
- インストールしたいプラグインを選択
- 「Install」ボタンをクリック
プラグインの横に✔がついてインストールしたバージョンが表示されればインストール終了です。
ZXP/UXP Installerを使ったインストール方法
一番最初にZXP/UXP Installerを起動するとすべてのユーザーにインストールするか、現在のユーザーのみにインストールするかの設定を聞いてきます。自分にあった方を選択してください。わからない場合はすべてのユーザーにインストールする「All users」を選択しておけば間違いないでしょう。
「設定はsettingsから変更できます」とメッセージが出てくるので「Close」ボタンをクリックします。
名前が変更になったようですね。「Dismiss」を押してメッセージを消しましょう。
それではインストールです。ZXP/UXP InstallerにZXPファイルをドラッグアンドドロップします。
インストールするかどうかを聞いてくるので「Install」ボタンをクリックします。
「インストールに成功」ウィンドウが開くので「Close」ボタンをクリックしましょう。
これでインストール終了です。現在選択されているプラグインがオレンジ色でハイライトされます。
選択を解除すれば、プラグイン名とインストールされているAdobe製品のバージョン・プラグインのバージョンが表示されます。
インストール後の確認ポイント
インストールが正常に行われたかどうかは、After Effectsのメニュー「ウィンドウ」⇒「エクステンション」⇒「(インストールしたzxpファイル名)」から確認できます。問題なくインストールできていれば、新しいツールの使い方や設定を把握し、編集作業に取り入れていきましょう。
まとめ
以上が、ZXPファイルの概要と導入手順の解説でした。AdobeのZXPファイル規格に準拠したツールであれば、After Effectsに様々な機能を追加・拡張でき、ユーザビリティが格段に向上します。複雑な操作を自動化したりユニークなエフェクトを実装したりと、作業効率とクリエイティブ性を高められるのが最大のメリットです。是非一度ZXPファイルに触れてみて、動画制作の新しい可能性を体感してみてください。